理系就活

理系就活は楽?理系文系両方の就活を4年間した院生が解説します!

理系就活は楽?と疑問に思っている理系の人

「理系の就活は文系よりも楽!」

「理系は研究と並行して就活をするから文系よりも大変!」など様々な意見があると思います。

そんな中、実際に「4年間理系と文系の両方の就活を行った経験」をもとに、理系就活の真実を解説したいと思います。

理系就活と文系(事務系)就活と大きく異なる点は5つあります。

  1. [重要]学校推薦がある
  2. 技術系は面接回数が短い会社が多い
  3. [重要]自由応募でも後付け推薦を要求される会社がある
  4. 逆求人型の就活で内定を取りやすい
  5. ESとは別の研究概要(A4 1~2枚)提出
  6. 技術面接がある
  7. [番外編]理系学部生の就活

各項目について詳しく解説していきます。

Contents

①[重要]学校推薦がある

まず文系(事務系)と大きく異なる部分は、技術系(特に大学院生)は学校推薦が多いということです。

大学・専攻によって異なりますが、大企業の推薦があるところも非常に多いです。

なので、一見すると理系の就活は楽だと思われてしまうかもしれません。

しかし、人気企業は学内推薦の争いが激しく、自由応募と難易度はそこまで変わりません。

実際に第1希望の推薦を取得できる学生はほんの一握りです。

推薦の効力も会社によって異なり、推薦が取れても面接で普通に落ちます!

志望度だけでなく、「推薦の受かりやすさ」をしっかりと見極めて、推薦先を決めましょう!!!

・学校推薦を使っても面接で落ちやすい企業

・学校推薦があればほぼ100%受かる企業

a)「学校推薦 合格率」とネットで検索し、企業別の推薦の効力を調べる

企業別の学校推薦合格率が載っているサイトがあります。

部活や専攻の先輩や同期の推薦合否と傾向が似ていることから、ある程度信ぴょう性のあるデータだと思います。活用しましょう。

b)過去数年の、専攻内(学部内)の推薦の合否データから合格率を算出

多くの大学で、推薦を利用した学生の合否データがあると思います。

それを数年分集めて合格率を計算することで、推薦で確実に受かるかどうかを判断できます。

もし推薦の合否データがなければ、事務や教員・キャリアセンターに推薦のデータを見せてくれるように頼みましょう。

公開されていない合否データを見れる可能性があります。

c)リクルーター(大学の先輩)に推薦の効力の強さを聞く

人事に合格率を聞くのは良くないですが、大学の先輩・リクルーターに聞く分には問題ないです。

同じ大学の後輩に、真剣に推薦を出すか悩んでいると言われれば、教えてくれる人が大半です。

同じ専攻のOBが就活時期に大学にやってきて、説明会や座談会を開いてくれるのでその時に推薦の合格率について質問しましょう。

私は気になった企業のOBさんには毎回推薦合格率を聞き、教えてもらっていました。

以上3つの方法を使えば、ある程度の推薦合格率を把握することができます。

ぜひ、試してみてください。

[ありがちな失敗例]

面接が苦手な人が「学校推薦を使っても面接で落ちやすい企業」に出した場合

就活生
就活生
研究成果と成績が良かったから人気の企業の学校推薦GET!
面接官
面接官
○○日に面接に来てください
就活生
就活生
学校推薦だし、面接楽勝でしょ!
面接官
面接官
志望動機は?強みは?研究の実用性は?・・・?
就活生
就活生
ええっと・・・(推薦なのにがっつり面接じゃん、全然話せない・・・)
面接官
面接官
不採用です

面接が苦手な人は「学校推薦があればほぼ100%受かる企業」を受けた方ほうがいい場合もあります。

志望度だけでなく、自分の面接力も考慮して推薦を出す会社を選びましょう!

②技術系は面接回数が少ない会社が多い

技術系志望のみなさん、朗報です。

技術系の面接は事務系よりも面接の回数が少ないです!

事務系  平均4回  最高7回

技術系  平均2~3回  最高4回

技術系は大企業でも2回、推薦を使うと1回のところも多々あり、非常に面接の負荷が少ないです。

面接も技術面接が1回含まれるため、「聞かれること」をあらかじめ予想でき、対策が楽です!!

会社に対する知識もあまり求められないので、文系より企業研究は少なくてすみます。

にもかかわらず、理系学生は文系学生に比べてエントリー数が少ない!

これは非常にもったいないです!

理想としては最低でも、15社~20社にエントリーしましょう。

エントリー数が多い方が、面接の経験値や他企業との比較などができ、有利に就職活動を進められます。

(研究が本当に忙しい人でも最低10社は出しましょう)

③[重要]自由応募でも後付け推薦を要求される会社がある

推薦応募ではなく、自由応募でも推薦書の提出(後付け推薦)が必要な会社があります。

後付け推薦とは、内々定時に学校推薦を提出することを企業側に求められること

選考を受ける企業が後付け推薦を要求するかどうかを事前に調べておきましょう!

学校推薦書を大学側(教授)からもらって企業に提出すると、基本的に内々定を辞退することは許されません。

推薦書は学校と会社の書面での約束になるので、もし辞退してしまうと信頼関係を壊すことになるので、学校側(教授)から物凄く怒られます。

なので、後付け推薦を出した場合その企業に入社しなければなりません。

法律的には内々定辞退は可能ですが、先生に本気で怒られるそうなので基本的に推薦書を出した場合は内々定辞退はできないと考えてください。

a)後付け推薦が就活生を苦しめる理由と対策

後付け推薦という制度は学生にとって最悪の制度です。

企業側は内定者を確保できるので便利な制度ですが、就活生はせっかくもらった内定をキープできなくなるので本当に辛いです。

具体例を使って説明します。

例えば、あなたは第一志望をA社、滑り止めとしてB社を受けるとします。

A社B社の選考スケジュール

A社:面接時期:5月 内々定時期:5月末

B社:面接時期:4月 内々定時期:4月末 後付け推薦提出期限:5月上旬まで

このような状況になると、第一志望のA社の合否が決定する前にB社の内々定を承諾し、後付け推薦を出すかどうかを決断しなければなりません。

つまり、B社の内々定の保留ができません!!!

多くの学生は第一志望の会社の選考を受けたいと思うので、B社の内定を辞退することになります。

そうなると、B社の選考に費やした時間が無駄になります!!!

「やっと、内々定を1つ確保できて安心したのに、辞退しなければいけないなんて」と精神的にも辛くなります。

このような状況を防ぐために、事前に各社の選考開始時期・内々定時期・後付け推薦の有無を調べておく必要があります。

内々定時期が早い内々定時期が遅い
後付け推薦あり志望度低い会社は受けない!問題なし
後付け推薦なし問題なし問題なし

「後付け推薦あり」で、「選考(内々定)時期が早い」「志望度低い」会社は受けても無駄になるので初めから除外しておきましょう!!

約6万件の通過ESや面接情報が載っているワンキャリアUnistyleを使って、後付け推薦の情報を集めましょう!

また、同じ大学の先輩やリクルーターから情報をもらうこともおすすめです。

b)後付け推薦があり、選考が早い会社の対応方法

「後付け推薦があり、選考が早い会社」ESの提出日を1番最後にして、内々定をもらう(=推薦書を提出する)時期をできるだけ遅らせましょう。

例)

ES1次締切 3月25日

ES2次締切 4月20日

ES3次締切 5月15日(後付け推薦がある場合は1番遅いここを狙う!

これにより、推薦書を提出する時期を遅らせ無駄な内々定を減らせます。

企業の戦略的なエントリーの方法に関して興味がある人は、こちらを参照してください。

c)後付け推薦提出を延期させる方法

面接の時に、「第一志望の会社は別でその企業の選考が終わるまで待ってほしい」と言った場合には、後付け推薦を延期させられる場合があります。

「第一志望の○○会社の合否が出るまで待ってほしい」と人事の方に掛け合い、保留期間を延長させましょう。

私自身、何度か推薦書提出を保留することに成功しました。

ただし、企業によって対応が異なるので、必ず成功するとは限りません。

④逆求人型の就活で内定を取りやすい

逆求人型の就活で大手企業の内定をもらう学生が増えています。

逆求人とは、企業側が欲しいと思った学生にオファーを送り、面接を進めていく就活です。

あらかじめ逆求人サイトに載せた学チカなどのプロフィールを見て、企業が学生に直接連絡をくれます。

逆求人の選考では、ESやWEBテスト、1~2次面接免除の状態から選考が始まるので、他の学生よりも有利に面接を進められます。

そして、この逆求人型は専門分野を持った理系学生に有利に働きます。

[逆求人型が理系学生に有利な理由]

メーカー:自社の研究開発と近い分野の知識を持っている学生がほしい!

しかし、自社の研究と専門分野が近い学生の数は限られている(少ない)

他の学生よりも早期に優遇して採用するために、逆求人のオファーを出す

逆求人サイトは何種類もありますが、資生堂や経済産業省などの人気企業からオファーがもらえるOfferBoxがおすすめです。

他の逆求人サイトはベンチャーや中小企業が多いので、大手思考の学生はOfferBox択です!

自身の専攻を活かせる会社の内定が早めに欲しい理系学生は、逆求人型の就活も同時並行で進めていきましょう。

⑤ESとは別の研究概要(A4 1~2枚)提出

総合職技術系のエントリーシートには、研究概要の提出が課される企業が多いです。

技術系で就職活動を行う人は、ほぼ全員提出することになります。

研究概要を作成するのは時間がかかるので、就活の解禁前(3月1日)に事前に準備しておくことをお勧めします。

提出形式はA4を1枚or2枚で提出することが多いので、2パターンの研究概要を作成しておきましょう。

研究概要作成のコツ

専門知識のない人が読むことを意識して、分かりやすい表現で書くことが大事です。

そのために、専攻の違う友人と研究概要を交換し合い、分かりにくい点を指摘しあいましょう。

ただし、専門用語をすべて分かりやすい言葉で書き換えると幼稚な文章になってしまうので、すべて書き換える必要はありません。

口頭発表の時に補足を入れれば問題ないです。

研究概要の文章を書くときに、研究発表の原稿も同時に作成しましょう。

研究概要と研究発表の原稿は文章を絶対に変えてください!!!

例)研究概要と発表原稿が同じだった時に起こる悲劇

面接官
面接官
研究発表を5分でしてください
就活生
就活生
研究の背景は~~~~~
面接官
面接官
ん?研究概要に書いてあることと全く同じことを言ってるな?原稿を暗記しているな。不採用

技術面接では、面接官は提出した研究概要を見ながら面接を行います。

もし、研究概要に書いてることと同じことを話していたら、「暗記してるんだな」と思われて非常に印象が悪いです。

必ず研究概要の本文と研究発表の原稿は変えましょう!!!

⑥技術面接がある

理系の就活では文系と違い、研究内容の発表があります。

解説量が多いので別のページにまとめました。

研究発表の最強マニュアルに興味がある人はこちらを参考にしてください。

不可能を可能にするプレゼン
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技術面接の質問想定集が欲しい方はこちらを参考にしてください。

大丈夫と語る人
技術面接の最強質問対策 [超大手メーカー内定者が徹底解説!]技術面接の質疑応答が不安!という就活生は多いと思います。でも安心してください。研究してなくても「聞かれる質問」が分かれば通過できます!技術面接で聞かれる全ての質問を用意しました!...

最後に理系学部生の就活の特徴について説明します。

⑦[番外編]理系学部生の就活

理系の学部生と院生の就活はほとんど同じです。

違いは「学校推薦の数が少ない」点と、「面接で聞かれる質問が変わる」点です。

学部生はまだ研究を行っていないので、研究発表はありません。

その代わりに院生には聞かれない質問をされます。

理系学部生が面接で受ける質問

  • 研究室はもう決まったか?その研究室を選んだ理由
  • 所属している(所属予定の)研究室はどんなテーマの研究が行われているか?
  • これからどんな研究をしたいと考えているか?
  • 研究にどんなイメージを持っているのか
  • 大学院には進学しないのか?いつそれを決めたのか?
  • 大学院に進学せずに就職することを決めた理由
  • まだ研究していないのになぜ大学院には進まないと決めたのか?
  • 希望の会社に入れなかった場合でも、大学院にはもう進学しないと決めているのか?
  • 企業の研究職にどんなイメージを持っているか?
  • 自分の専攻を活かしたいと考えているか?またその理由
  • 一番興味を持った大学の授業は何か?
  • 興味を持てなかった大学の授業は何か?
  • 大学の授業での得意科目は何か?
  • 大学の授業での苦手科目は何か?
  • あなたの専攻はどんなことを勉強するのか?
  • あなたの専攻は実際に世の中のどんなところに使われている?どう世の中に影響を与えている?

上記の質問に対する答えを用意すれば学部生の技術面接の対策は万全です。

まとめ

以上すべてを考慮すると、理系の就活は文系よりも楽だと思います。

ただし、理系の学生は研究と並行して就活をしなければならないので、時間的には厳しいです。

できるだけ早い時期に選考情報を入手し、事前にコツコツ就活を進めてください。

マイナビ・リクナビよりも技術系のインターン・本選考情報」を早期に入手できる理系ナビを使って理系就活を効率化させましょう!

また文系・理系を問わず、効率的な就活をするための情報も載せておくので参考にしてください!

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